人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方

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人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方
出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2024年03月09日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

仕事をしていれば、不測の事態はつきものだ。計画通りに物事が進まなかったり、予想外のトラブルが発生したりすると、多かれ少なかれ焦りが生じる。そんなとき、そのままパニックに陥ってしまう人と、どこか余裕のある人がいる。当然、最後に結果を出すのは後者だ。周囲の状況や自分の気持ちにさえも、振り回されないで落ち着いていられる人は何が違うのだろうか。

世界的な庭園デザイナーであり、曹洞宗徳雄山建功寺の住職でもある枡野俊明氏は、本書において「動じない心」を持つことの大切さを説いている。動じない心を持っている人は、あれもこれも同時に考えて、無用に焦ったりしない。今やるべきことだけを考えられるので、物事をシンプルにとらえることができるのだ。物事が順調に進んでいても、予想外の事態が起きていても、自分のやるべきことに集中することの大切さに変わりはないのである。

しかし、目の前のことに集中すべきだと言われても、そう簡単にいかないのが現実だろう。そこで著者がヒントを求めるのが禅的思考である。仕事や人間関係、将来の不安……誰の心にも一度はよぎったことがあるであろう人生の悩みに、本書はQ&A形式で答えていく。悩みの一つひとつにやさしい語り口の回答がつけられるので、禅僧である著者に悩み相談をするような気持ちで読み進めることができるだろう。共感できる悩みを見つけたら、まずはその項目から読んでみるのがおすすめだ。

ライター画像
池田明季哉

著者

枡野俊明(ますの しゅんみょう)
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行ない、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。また、2006年「ニューズウィーク」誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」にも選出される。近年は執筆や講演活動も積極的に行なう。

本書の要点

  • 要点
    1
    アイデアが出ないときは、思いきって休憩しよう。一旦考えるのをやめてみると、無意識の中から「ひらめき」が出てくるだろう。
  • 要点
    2
    仏教の世界では、命は仏様からの預かりものだと考える。生かされていることに感謝をすると、人生は豊かになる。
  • 要点
    3
    夢を実現するということは、自分のなすべきことを自覚してコツコツと努力することだ。
  • 要点
    4
    休日に30分だけでも携帯電話の電源を切って、心静かに自然を眺めよう。孤独と向き合うことで、自分本来の姿を取り戻せるはずだ。

要約

【必読ポイント!】自分を考える

発想に限界を感じる

著者が庭園のデザインをする際、迷いが生じることがしばしばある。たとえば、大きな石を庭園のどこに配置すべきかを考えても、よいアイデアが出てこないことがある。そんなときは、石のことを考えるのを一旦やめにする。別の作業に専念して、その日は家に帰ってしまうのだ。そうすると、ふとした瞬間にひらめきがやってくる。

アイデアをひねり出そうとデスクで唸ってもうまくいかないなら、一旦考えるのをやめてみよう。時間に余裕がないなら、1時間だけでも考えるのをやめて、他の仕事に専念する。人間は長い時間、一つのことに集中できるようにはできていない。だから、デスクで考え続けてもうまくいかないのだ。

坐禅は禅僧にとって大切な修行だが、1日中座禅に集中することはできない。坐禅には「一炷」という単位があるが、それは1本の線香が燃え尽きるまでの40分くらいの時間を指す。「一炷」の後には「経行」という小休止が挟まれ、この間は座禅を解き、ゆっくり呼吸を整えながら静かに歩く。「経行」によって身体の凝りがほぐれて、新たな気持ちで座禅に臨むことができるのだ。

仕事であっても、本当に集中できるのはせいぜい1時間だ。集中力が途切れたときは、小休止を取って身体を動かそう。「ひらめき」は心身が整ったときに、無意識の中から出てくるものだ。

物事が続かない
benzoix/gettyimages

最近の若い人はメンタル面が弱いといわれる。少し叱られただけでしょげてしまい、それがきっかけで会社を辞めてしまうこともある。これは豊かな社会になり、昔ほど根性がいらなくなったからかもしれないが、原因はそれだけではなさそうだ。

いまの若い人はとても生真面目だ。指示されたことは必ずやり遂げようとするし、できなければ自分を責めたりもする。自分を責めることは、他人から責められるよりも苦しいものだ。これでは精神的に追い詰められていってしまう。

物事が続かないのなら、もっと「いい加減さ」を身につけたほうがいい。これは、さぼったり手を抜いたりしろということではない。どこかでフッと力を抜き、「ほど良い加減」を知っておこうということだ。

たとえば、与えられた仕事が計算通りに進むことは滅多にない。そもそも、部下の成長を望む上司は、実力以上の仕事を与えているものだ。そんなときは、必死に努力しても100%には至らない。だからこそ、次は100%を目指そうと一層努力する。仕事はこの繰り返しだ。

達成できなかったことを真摯に受け止めた上で、「いい加減さ」を発揮する術を身につけよう。

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要約公開日 2024.08.01
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